人文科学ゼミナール(歴史学)

概要

本授業では、国会図書館に所蔵されている「戦記もの」と呼ばれるジャンルの文献を読んでいきます。それぞれの受講者がアジア・太平洋戦争についてのテーマを考え、絞り込み、調査してもらいます。学期末には外部の研究会で発表し、その上でレポートを提出してもらいます。日本社会においては、1990年代からアジア・太平洋戦争についての見直しがなされてきました。外国人の当事者が日本社会で訴えたことの影響が大きかったのですが、現在ではその訴えにどう対処するかが国際政治の対象となってしまいました。その結果、「何が起きたのか」「どのような状況で起きたのか」「誰が行ったのか」等々のあたりまえの問いは、意見や見解によるものとみなされる傾向が大変強くなりました。このような傾向は、過去を見つめなおし、過去から何を学べるのかを考える、という歴史学の本流からは切り離されたものです。そこで、歴史学の本流の方法に立ち戻り、皆さんと共に、より現場に近い資料から70年以上前に終わった戦争の実相を捉えるということを実践したいと思うようになりました。

基本的な授業内容は国会図書館での自らのテーマ設定に基づく作業になります。現時点で受講を希望される方は、岡田までメール(右記)ください。